東京には変な人がいる。
例えばある女の話。
先日大学時代の友人と久しぶりに呑んだ。
現在彼は映像系の会社に勤め、同級生の中ではなかなかの出世頭だ。昔のよしみという事で忙しい時期にも関わらず、わざわざ一緒に呑みに行ってくれたのは彼の人徳だと思う。
ここで仮に彼の名前を大島君としておく。
この場を借りて御礼を二人分申し上げる。
ありがとー!!ありがとー!!
さて、大島の高校時代の友人で数年ぶりの再会という事で、たまたまやって来た女性。
実に優秀な商売人のようで、彼女から聞く商売の話は実に非常にダイナミックで波乱に富んでいる。波乱に富みすぎていて彼女が語る彼女の人生と、その物語の主人公である彼女の姿の間のギャップに僕は混乱した。
繰り返されるね数千万円単位のお金の話。繰り返されるネームドロッピング。
少し前に染め他であろう髪は根元が黒くなり、西友で千円で変えそうなバック。はきつぶしたスニーカー。
彼女は言う「私は疑り深いの。話を聞いただけじゃ信じないし、目の前で見た事も信じない。自分で行動して体験して初めて人を信じる」
彼女は洒落っ気があるいたずら好きな商売人かもしれない。
彼女はオシャレに無頓着な倹約家なのかもしれない。
本当の事は何もわからない。
石垣島からやって来た僕の手前、数年ぶりに再会する同級生の手前、威勢のいい話をしているだけなのかもしれない。
彼女の話を大島はただ単純に真実として扱う。
気を良くした彼女はますます会話のボルテージを上げて行く。
仕事があるらしい彼女は3件目のお店を出た後夜の街へ消えて行った。
頭にいくつかの病名が頭によぎる。
人を病気で見る癖は余り良いことではないと思うけれど、こころの病や人格障害を持つ人と付き合いを仕事をしていた頃の余韻がまだ体に残っている。
仮に彼女の話が嘘だとしよう。
僕と彼女の違いは何かと聞かれれば、それは程度の違いでしか無いようにも思える。
少なからず、不安や恐怖からつまらないウソをついてしまった事が僕にはあった。自分が未熟で幼く何の実績も無い事実が他人に知れてしまうのが怖くて見栄をはったり、自分の弱さを見つめることから逃げてしまうこともあった。
人それぞれ違うけれど、ある種の弱さは誰にだってあるという事を僕は知る年になった。
秋の夜長にそんな事を考えました。
2008/09/16
優しい嘘
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