写真ってなんだろう。
この問いかけは僕の頭の中から離れない。
僕は仕事柄結婚式を撮る。
先日は日本本土からいらっしゃったお二人の撮影をさせて頂いた。
新婦の母親が、父親なのだろう初老の男性の遺影を手に結婚式に参加されている。
パーティーでビールと取り分けられた料理が遺影の前に飾られていたので、写真に収める。
角度の問題、あるいはレンズによる歪曲の問題であるといえば、それまでなのだけれども、現像してみると、なんだか実際に見た時よりも写真が微笑んでいるようにみえる。
すべての写真は潜在的に遺影である可能性から逃れられない。
僕たちはいずれ死に、土に帰る。
僕も、君も。
太陽のえんぴつ、写真だけは僕らが居なくなった後も、しばらく残るが、その写真ですら、いずれ、土に帰ってしまう。
僕らはいずれ、なにもかも失ってしまうけれど、失うならば、せめて、美しくありたいと思う。
この度はおめでとうございます。
お二人の撮影が出来て光栄です。
写真を楽しみにお待ちください。
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